みらくる的考察_腰痛 Vol.2
2019-11-04
次に、分類Ⅱの弛緩性の腰痛です。
一般の方にはイメージしにくいものですが、これは、腰・股関節周りの筋肉が緩み
すぎて、骨格を支えるサポート力が落ちることで発生する腰痛の事です。
MSTでは「ゆるみ腰」と言っています。
その一番の特徴は、朝起きた時が一番つらく、動いているうちに痛みが消えると
いうことです。
職業的には長距離トラックやタクシーの運転手さん、座りっぱなしの作業の
多い方等でしょうか。
皆さんご存知の「ぎっくり腰」はこの分類に入ります。
(ただし、ゆるみ腰だけの状態が続くわけではありません。)
このケースでのMSTでは、腰回りの筋肉に緊張を入れる施術をします。
そうすると腰回りのサポート力が増し、腰が安定することで痛みが消えて
いきます。
腹筋をすると腰痛が消えるという説はこういった方には確かに有効です。
しかし、分類Ⅰの場合では逆効果になるケースもありますので注意が必要です。
で、ここで皆さん気づきました?
緊張性の腰痛と弛緩性の腰痛では全く逆の施術をすることを。
そうなんです。
腰痛の原因の種類によって対処方法が全く逆になるんです。
ですから、この区別をしないで「腰痛」でひとくくりにして同じ対処法を
すると、ある分野の腰痛の場合は良くなっても、別の分野の腰痛の場合は
治らないどころかかえってどんどん悪くなっていきます。
「何を当たり前のことを・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
これ、本当に分別できていないんですよ。
ひとつわかりやすい例を取りましょうか。
通販番組で超有名な低反発マットレスありますよね。
「どんな腰痛もお任せあれ!」的なこと言ってますよね?
ですが、あれを買った方でかえって腰痛がひどくなった方はいませんか?
間違いなくいるはずです。
僕のところにもそういった患者さんがいますから(笑)
で、あのマットレスは緊張性の腰痛をお持ちの方には効果が高いのではない
かと思いますが(あいまいな言い方ですが、マットレスの効果を僕は保証
できませんので・・・(笑))、弛緩性の腰痛をお持ちの方は逆効果になります。
だって、ただでさえ腰回りの筋肉が緩んで腰が痛いのに、さらに緩めてど
うすんの?
てな感じですものね(笑)
ですから、そういった方の場合は、別の対処法、つまり緊張を入れる対処法が
効果があるのです。
このケースでは、硬めのマットレスか厚めの板を敷布団の下に敷いて硬くして
寝ることで痛みが軽減するはずです。
もし、自分が当てはまると思いましたら試しにやってみてください。
そして、もしよろしければその後の経過など教えていただけると嬉しい
ですね(笑)
このように、対処法が全く逆の腰痛を見分けることが改善への近道に
なるのです。
コルセットなんかも同じです。
コルセットを使ったほうがいい腰痛と使ってはダメな腰痛。
なんか、紛らわしいですよね。
でも、こういったことができていないから、いつまでたっても腰痛が良く
ならないのです。
これらことをしっかりと行えば、この分類の腰痛は改善されていく
のです。
つづく