みらくる的考察_肩こり Vol.3

2019-10-26

「なぜソフトな刺激だけで肩こりは解消していくのか?」のつづき。

筋繊維は優しく触れるだけで緩みます。
なぜかというと、脳から送られる筋繊維を緊張させる信号が止まるからです。

なぜ止まるかというと、緊張させておく必要がなくなるからです。
なぜ必要なくなるかというと、体が攻められる信号が来なくなるからです。

筋緊張の一つの要因は生体の防御本能です。
体を守るために筋肉を緊張させて、外からの攻撃に備えます。

それに対し、体を防御する必要がないと脳が判断した時は、筋肉は緩みます。

振り返って考えてみてください。
赤ちゃんを抱く時には、柔らかく抱きますよね?

上手く優しく抱けた時は、赤ちゃんもリラックスするでしょう?
あれは、安心して体を預けられると脳が判断するからです。

自分に置き換えても、優しくさすられたり、包み込まれるように抱きしめ
れたりしたら、気分が落ち着きませんでしたか?

これらの時は決まって筋肉は緊張していないんです。
リラックスした状態では筋肉は緊張しません。

ここでいうリラックスした状態というのは、「意識的」にも「無意識的」にもです。

この意味は、強い刺激で体を揉んでもらっていて、心地よくリラックスした気になっていても、筋肉は強い刺激にさらされているので、無意識的にはリラックスできないという事です。

揉んだり叩かれたりすると、無意識に体は身構えようとします。

つまり、強い刺激は体が攻撃されていると脳が感じて、体を守るために脳から信号が送られ、筋肉を緊張状態にするのです。

Vol.2で筋肉を固くする仕組みを書きましたが、もう一つ理由があったんですね。

Vol.2で書いた仕組みは自然治癒力の結果。
こちらは防御反応の結果。

人間が持っているこれら二つの基本的機能が合わさって、肩こりを悪化させていきます。

ところが、ソフトな優しい刺激には防御する必要がないので、脳から「体を守れ」というような防御用の信号は送られません。

もちろん、筋繊維を痛めないので玉ねぎの皮もつきません。

この状態の時に、筋繊維を軽くずらしたり摩ったりすることで筋繊維レベルで緩んでいく事ができるのです。

もう少しイメージが付きやすいように言います。

粘土を思い出してください。

粘土遊びと言えば、僕は幼稚園時代を思い出すのですが、おろしたての粘土ってすごく硬くないですか?

最初に良くこねますよね?
その時に無理に引っ張ったり捻じったりすると「ぶちっ!」って、ちぎれたでしょう?

でも、温めるようにしてゆっくりと外側から緩めていくと、しっかりと伸びましたよね?

あれです。
あれと一緒なんです。

筋肉も包み込むように触れるだけで緩めることができるのです。

経験したことがないだけで(そう思っているだけで、何度も経験済みなんですよ(笑))、経験してしまえば、理解できるようになります。

そして、これがすごい所なのですが、このようにして筋繊維が緩んでいくと、今までくっついていた玉ねぎの皮が一枚ずつ取れていくのです。

なぜなら、攻撃されないことがわかると筋繊維を厚くして守る必要が無くなるので、元の厚さに戻っていくからです。

すごいでしょ?
でも、普通の事なのですよ。

人間の設計図(DNA)がちゃんとあるので、元の姿に戻ろうとするし戻ります。

以上が、ソフトな刺激でも肩こりが解消されていく理由です。
というより、ソフトな刺激でないと肩こりが根本的に解消されない理由です。

そしてもう一つ、重要な事があります。

ちょっと話が飛ぶのですが、みらくる整体術(MST)では重要な事なので、一言だけアナウンスしておきます。

これらの状態の時は、「基本的に副交感神経が優位」になっているという事です。

副交感神経を優位にしていく事が改善への一つのカギとなります。
この説明もまた別の機会にいたします。


どうですか?
皆さん理解いただけましたか?

数十年物の肩こりであろうと、適切な施術をしていく事で肩こりはほどけていくのですよ。

中々信じられないお話かもせれませんが、たったこれだけの事なのです。

「揉めば楽になる」事は、経験しているから理解できる。
「触れるだけで楽になる」事は、経験していないから理解できない。

今はこれが主流かもしれませんが、今後は後者について理解がどんどん広まっていくと思っています。


どうです?
一足先に経験しときません?