みらくる的考察_肩こり Vol.2

2019-10-23

「揉んだり叩いたりすると筋肉は硬くなる」のはなぜか?
この問いにお答えする前に一つ質問があります。

「なぜ、揉んだり叩いたりすると筋肉はほぐれるのか?」
という問いに明確にお答えできる方はどれだけいるでしょうか?

なんとなくそう思っているだけで、その仕組みを理解している人は
それほど多くはないのではないですか?

でも、揉んだり叩いたりすることで、筋肉がほぐれる事は皆さん
知っているんですよね。

仕組みはわからないけどその効果は知っている。

なぜですか?

それは、経験値からくるものだからではないでしょうか。

そう、実際に肩が凝った時に揉んだり叩いたりすることで、肩こりが楽になる
ことを経験しているからです。

だから、肩こりには揉んだり叩いたりが効果があると思っているのです。
確かに、これはある意味間違ってはいません。

ですが、結果的には間違いなのです。
肩こりを根本的に改善しようとするのなら、強い刺激はマイナスなのです。

「肩こりには、揉んだり叩いたりすることが一時的な効果が見込まれる」
が正解であって、肩こりの根本的な改善を望むのであれば、押したり揉んだり
するような強い刺激はふさわしくないのです。

では、なぜ強い刺激は筋肉を固くするのでしょうか?

肩コリを感じるのは、筋肉が固くなることで血液やリンパ等、循環器系の正常な
活動を阻害して神経を刺激し、その信号が脳に伝わるからです。

そして、筋肉が固くなるのは脳から電気信号が送られ、筋繊維を収縮させること
で起こります。

つまり、脳からの電気信号が肩こりを発生させているわけです。

では、なぜ脳から電気信号が送られるのでしょうか?
それは、いろいろな原因が考えられます。

当院では大きく二つに別けて考えます。
一つは物理的な事(疲労につながる事)、もう一つは神経的な事(ストレス等)です。

これらの見解についてはまた別の機会にお話ししたいと思いますが、いずれにせよ
この二つの要因によって肩の筋肉が固まるように脳から信号が送られます。

以上が、肩こりになる仕組みです。

そこで、「肩こりに強い刺激はなぜ良くないか?」という本題に戻ります。

肩が凝った時に、揉んだり叩いたりすると筋繊維は強制的にほぐされます。
これが皆さんが感じている、肩を揉むと楽になるという事です。

ところが、筋繊維レベルで見ると、この時筋繊維は傷ついてしまいます。
そして、この傷ついた筋繊維を修復するために体液が集まってくるのです。

次に、修復作業が終わると集まった体液は散っていきますが、
この時に修復した個所を少しだけ強くしていきます。

ちょうど玉ねぎの薄い皮が一枚、傷ついたところにくっついて補強する
イメージです。

これが10回繰り返されると10枚の玉ねぎの皮が、そして100回繰り返されると
100枚の皮がくっついて筋繊維が強く硬くなっていく事になります。

そうです!
「揉めば揉むほど筋肉が固くなっていく」というのはこのことなのです。

押すところが厚く硬くなっていくから、さらに押す力が必要になっていく
仕組みです。

最初は10の力でも心地よかったのが、だんだんと強く押してもらわないと
感じなくなり、100にも200にもして強く押してもらわないとほぐれなくなって
いくのはこういったことなのです。

だから強い刺激は結果として肩こりを悪化させるのです。
ご理解いただけました?

因みに、ここで述べていることは、あくまでもみらくる整体院としての
見解です。

分かり易くモデリングしてお話ししていますので、この後のお話も含め、
大まかなイメージとしてとらえてください。


という事で、次は「なぜ、ソフトな刺激だけで肩こりは解消していくのか?」
についてお話ししたいと思います。


次回へつづく m(__)m