【コラム】40肩・50肩について
2024-02-06
極論を言うと40肩・50肩は放っておいても良くなります。
ですが、患者さんにとってその過程はかなり厳しいものと言わざるを得ません。
とにかく痛みが強く、QOL(生活の質)が著しく低下するからです。
症状の出初めから良くなるまでは大まかに3段階に分けることができます。
まずは下降期。
徐々に痛みが出始め、坂道を転がっていくように悪化していきます。
可動域がどんどん狭くなっていき、最終的には動かさなくても痛みがある状態に
まで落ちます。
寝ることもままならなくなります。
次に停滞期。
ある程度痛みも落ち着き、動かさなければ痛みのない状態が出てきます。
可動域も狭いまま固定してしまいます。
痛みに少し慣れてしまう感覚が出てきます。
そして、改善期。
少しずつ可動域が拡がっていきます。
痛みも落ち着き、可動に遊びができてQOLが上がっていくのが実感できます。
そうして完治へと向かって行きます。
この3段階を経て良くなるのですが、症状の出初めから改善までは早くて6か月(ごくたまに
3か月くらいの方もいますが)、遅くて2年くらいかかります。
これらの状態で病院に行くと湿布薬と痛み止めで様子を見ることが多いようです。
安定剤なども出ることがあります。
痛みがあまりにも強くQOLが極端に低い方の場合は、ブロック注射等を使います。
長時間痛みにさらされるため、不眠になったりうつ病を発症したりする方も少なくないよう
です。
さて、当院ではどうするかというとそれぞれの段階で目指す目標が違います。
痛みがどんどん強くなる下降期では、良くすることに主眼を置くのではなく、坂道を転がる岩
を止めることを目標に施術をしていきます。
岩よりも雪玉の方がイメージが近いですね。
最初は小さな雪玉も転がって落ちていく毎ににどんどん大きくなっていきますよね。
その大きさが痛みに比例するとイメージしていただければいいです。
坂道を転がる大きな雪玉をすぐに止めることはできません。
ですから、施術をし始めてもすぐに止めることはできず惰性で下がっていってしまいます。
ですが、よほどのことがない限り比較的早い段階でこれを止めることはできます。
具体的な内容としては、筋肉を動かすことは可動範囲内の80%程度に収め、肩より遠方に
ある圧痛点を緩めていきます。
手首周りや肘回りが効果的です。
放って置くとどんどん固くなっていくので今以上に悪くならない程度にする感じです。
この段階での注意点は今より良くしようとしないこと。
現状を保つことです。
次に停滞期です。
症状が固定化していくのでそれを解消することを目的に施術します。
少しずつ可動域を拡げるようにしていきます。
可動域の100%で施術をして広がるようであれは数%だけ広げるようなイメージで
アプローチをかけまlす。
コツは痛みが出るか出ないかの境目でする事。
具体的なアプローチ個所は首と肩甲骨周りです。
これらをメインに緩める作業をします。
そして改善期。
この時期になると停滞期の時よりも少しだけアプローチの量が多くなります。
上記の他に肋間筋なども視野に入れながら施術を行います。
可動域に対するアプローチも多少大きくなっていきます。
以上が当院の40肩・50肩に対する施術になります。
病院での治療は結果的には保存療法がメインです。
ブロック注射をしても痛みを遮断するだけで肩の炎症には関係ありません。
筋肉を柔らかくする投薬も切り札的な効果はないように思われます。
炎症が起きている間(6か月~2年)いかに痛みを和られるか、そうしているうちに
自然治癒するのを待っている、というのが標準治療だと考えられます。
当院では積極的に筋肉へアプローチをかけることで全体的な罹患期間を短くできています。
具体的な数字は控えますが、つらい痛みも早く軽減しQOLが上がります。
下降期、停滞期、改善期それぞれが相対的に短くなります。
みらくるの40肩・50肩の療法は、
「放って置きません」