【コラム笑門来福】プラトー
2024-08-09
皆さん「プラトー」という言葉をご存じですか?
元々は「たいら」という意味らしいのですが、勉強やスポーツの能力向上で
使われたり、病気の症状が回復する中で回復が「停滞する時期」という
意味でこの言葉が使われます。
当院で見ても、この言葉に当てはまる患者さんは普通にいます。
この「プラトー」を乗り切れるか否かが改善へのカギとなります。
ある程度良くなってきた時にこの「プラトー」が登場します。
ここで、「これ以上良くならないようだし、症状もこの程度なら問題ないのでしばらく
様子を見ます。」となるのか、「せっかく良くなってきているのでもう少し頑張ります。」
となるのかは、その後の結果に大きな違いを生みます。
前者の方は、症状が安定してクリアなゾーンに入っていないので時間の経過と
ともに元に戻ってしまうケースが多いです。
後者の方は、安定してクリアなゾーンに入っていくのでいい状態が長く続きます。
もちろん、メンテナンスを併用することが望ましいですけどね。
そして特に重要なのが、状態が悪くなる時にプラトーを超えている方は、いい状態から
下がることがあっても途中で歯止めがきくことが多いということです。
例えて言うなら踊り場のある階段をイメージしてください。
しかも少し大きめの踊り場です。
この踊り場が「プラトー」です。
この階段をちょっと離れて横の位置から見ると、下から階段が上に向かって
登っていきます。
そして、途中踊り場のところが平らになって平行移動しています。
これが「プラトー」ですね。
それからまた階段がのぼりはじめ2階へと繋がっていきます。
(この曲線が改善曲線と同様になっているのです。)
さて、ここで踊り場がない階段で上から大きな球を転がすと一気に下まで降りて
いきますよね。
ところが、踊り場があるとそこで一旦少し止まるのイメージできますでしょ?
これが人の体にも当てはまるのです。
つまり、無理をして痛めることがあった場合、プラトーを経験していなければ一気に
状態が悪くなってしまうし、プラトーを経験していればある程度のところで一旦症状は
落ち着くという違いになってくるのです。
そうなると、その後の施術内容が違ってきます。
大きく痛めていればやはり改善は遅くなるし、途中で止まっていてくれれば改善も
早いのです。
これがプラトーの大きな役割です。
ですから、このプラトーの時期は中々症状の改善が進まず心が折れてしまいそうに
なるかもしれませんが、決してネガティブなものではなく、それよりも体の安全弁を
作っているのだとポジティブに考えていただきたいです。
そうすれば、この時期を乗り越えることもそう難しいことではなくなるのではないでしょうか?
良い体つくりには非常に重要な作業なのです